「禅で変わる勇気～仕事・家庭、そして人生‥‥幸福に生きる「真の勇気」とは！～」キャンペーン

　近年、禅や坐禅への関心が高まっています。古くは、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズが禅に魅せられ、商品開発や経営に活かしていることは有名です。日本では、京セラ創業者の稲盛和夫氏が、得度してマスコミで話題になりました。

また、トヨタ自動車やパナソニックの経営にも、禅的な考え方が取り入れられております。禅は、経営やビジネスの本質と一致することは明らかになっています。

私自身、経営コンサルタントとして、禅の考え方を元に、社長塾や経営塾、坐禅会などを開催しております。おかげさまで、多くの成果を生み出してきました。

今回、より多くの方、とくにビジネスパーソンに、禅的思考や坐禅に親しんでいただくために新たな本を発刊することにいたしました。仕事の悩みやストレスを解消し、仕事や人生をバージョンアップしていただきたいと思います。

本書は、禅の言葉を厳選し、その言葉の意味するものを解説しています。さらに、どのようにビジネスに適用・応用できるかを、わかりやすく説き明かしています。坐禅の仕方はもちろん、より禅の真髄に触れていただきたく、道元禅のエッセンスたる「現成公案」の対訳も掲載した本となっています。

本書を何度も読み、バイブルとして、あなたの仕事と人生に、禅的思考を取り入れていただければ、筆者として幸いこれに過ぎたるはありません。

飯塚保人

第Ⅰ部

第１講　ただひたすら夢中になる――只管打坐
第２講　我やこだわりを脱落する――身心脱落
第３講　対象とひとつになる――一体一如
第４講　人生を全面開花させる――全機現

第Ⅱ部

第５講　足元をよく見る――照顧脚下
第６講　なにごとも比較しない――両忘
第７講　今を全力で生きる――前後際断
第８講　当たり前のことを実践する――眼横鼻直
第９講　無駄なものはない――夏炉冬扇

第Ⅲ部

第10 講　片手の音を聴く――隻手音声
第11 講　あるがままの心を持つ――平常心是道
第12 講　毎日が、かけがえのない一日――日日是好日
第13 講　主体性を失わない――随所作主立処皆真
第14 講　さらに一歩進む――百尺竿頭進一歩
第15 講　すべてはひとつに帰す――万法帰一

第Ⅳ部『現成公案』を読んでみる

第Ⅴ部坐禅の仕方

飯塚保人
（いいづか・やすんど）

ISK経営塾塾頭／経営コンサルタント
ゼントレプレナー（Zentrepreneur）

　学生時代に会社を設立し、大手企業のシステム開発、ＯＡ機器販売を手がける。取引先より経営相談を頻繁に受けたことをきっかけに、企業・経営者の育成を目的としたアイエスケー・コンサルティング株式会社を設立し、「ＩＳＫ経営塾」を主宰。以来、通算110 期を超える経営塾で、塾頭として経営トップ及び経営幹部の指導を行い、卒業生はおよそ3,000 人を越える。
　経営コンサルタントのベースを禅から修得したため、禅に対する造詣が深く、経営の悩み・苦しみ・楽しみ・喜びなど経営者の気持ちが解る指導者として評価が高い。経営の基本、原理・原則を踏まえた上での、時流を的確に捉える指導法で企業の経営改革に数々の実績を上げている。顧問先はいずれも史上最高の決算を出しており、“ 勝ち続ける経営” を指導する第一人者として活躍中。

星覚（せいがく）

保人師の著書を拝読して

　私が初めて師を尋ねたのは２０１３年の３月のことです。カウボーイハットに太くまっすぐな声が印象的でした。

　―経営はどうあるべきか、私にとって経営の目的とは何かは、絶えず進化してきました。30代は「勝つ経営」でした。40代は、勝つだけではだめで「勝ち続ける経営」が必要と思うようになりました。さらには「百年続く経営」を追求するようになりました。その後「社員が幸せになる経営」に進化しました。今では「楽しい経営」こそがベストと思っています。―

　出会い以降、東京を訪れる度に参禅させて頂き、経営の世界に身を置き成功を収めながら、常に謙虚に大胆に御自身のあり方を進化させ続ける師の姿を目の当たりにしてきました。
　前書きには本書の目的がはっきり書かれています。
　
　―今回、より多くの方、とくにビジネスパーソンに、禅的思考や坐禅に親しんでいただくために新たな本を発刊することにいたしました。―
　
　そこに一切迷いがありません。
　会う度に「釈迦に説法だけど」と笑いながら聞かせてくれる師によって厳選された禅の言葉は、いつも何度でも声に出したくなる普遍的な響きを持つものばかり。お師匠様である故田里亦無師から学んだ道を愚直に歩み続ける偽りのない生きた言葉、経営の後学の一人一人に全力で向き合ってきた実体験に基づく真心からのメッセージです。
　
　―「剃刀ではなく鈍刀になれ」とも言われました。禅を学び始めて50年近くなります。半世紀近くも鈍刀になる修行をしていると、鈍刀は一生使えることもわかりました。―
　―禅は、頭で考えるものではありません。感じるものです。その意味では、本書は、あくまでも、きっかけ・手がかりでしかありません。坐禅をしていただき、あなたなりの気づきが得られ、悟りに近づけることを願ってやみません。―
　
　そう言いきりながらあえてこの本を書く。その心情を想うと自然と浮かんでくるのは師の底抜けに明るい笑顔と、温かい他己への眼差し。それは経営に真摯に向き合う喜心、老心、大心、すなわち禅僧の姿そのものです。古今東西このような有志が法を護り禅を伝えていくのだと、私の心の奥底からも、禅で変わる勇気が湧いてくるのです。

山陰にて星覚九拝